⑦こんな法律知っていましたか!?

ペットに関する法律①「動物虐待の罰則規定」

2018-07-10

本年3月に、動物愛護団体が、福井県坂井市内の「子犬工場」の事業者を動物虐待の容疑で刑事告発する方針であることが写真入りで新聞報道されました。

報道写真には、犬たちが狭いゲージに押し込まれているシーンが写っており、見ていてすごく胸が痛みました。

違法か適法かという問題以前に、よくここまで命を軽く扱えるものだと憤りを感じました。

と同時に、「動物虐待の容疑で刑事告発」という見出しを読んで、一体、日本ではどのような法律が動物の虐待を禁止しているのかがすごく気になりましたので調べてみました。

今回、ポイントになる法律は「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、「法」といいます。)です。

動物の飼育や管理について定めた法律の中では、最も大事なものではないでしょうか。

今回は動物虐待を防止するための「罰則」を中心に確認してみたいと思います。

動物の虐待に関する罰則規定は法第44条に規定されています。

第六章 罰則
第四十四条 愛護動物みだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。
4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬は虫類に属するもの

罰則(虐待)規定の対象となる愛護動物として、犬、猫などが具体的に列挙されています。

また、哺乳類、鳥類、爬虫類に属するものとありますが、魚類や昆虫類は含まれてはおりません。

殺傷等について「みだりに」という縛りがかかっておりますので、牛や豚などの食用家畜の命を奪うことは、同法の罰則規定の適用対象にはならないことが読み解けます。

実際に動物虐待で刑事罰を受けている過去の裁判例をみてみますと、直近では猫を9匹殺害、4匹に傷害を負わせていたケースで懲役1年10カ月、執行猶予4年の判決が下ったものがありました(東京地裁平成29年12月12日判決・平成29年(特わ)第1985号外)

今回の坂井市内のケースについて事案の詳細は分かりませんが、仮に業者に犬を殺傷する意図がなかったとしても、狭いゲージ内で管理が不可能なレベルの大量の犬を飼育し、健康状態を害した犬がいたのであれば、犬の健康や安全を保持することが困難な場所に拘束して衰弱させたか、疾病や負傷した犬の保護を適切に行わなかったということで刑事罰の対象となる可能性は十分にあると思います。

今日はいつもより真面目な内容のコラムとなりました。

今後もこの問題からは目が離せませんので、当面の間、「動物の愛護及び管理に関する法律」について学んだことをちょこちょこと更新していきたいと思います。

反則金と罰金の違いって何?分かりにくいよね。

2016-10-30

交通違反をした際に「キップを切られた~(´;ω;`)」とか、「罰金を〇〇円、払ったよ(# ゚Д゚)」といった会話をしたことがありませんか?

ちなみに僕は一度も交通違反を犯したことがないので、そんな会話をしたことがありません。

さて、皆さんは冒頭の会話に出てくる「キップ」や「罰金」の内容について正確に理解はできているでしょうか?

僕もあんまり正確に理解していなかったのですが、「反則金」に関して法律相談が寄せられたので改めて勉強をした次第です。

「反則金」をググれば大体の内容は分かるのですが、一応は法律の仕事をして食べているので、それらしく法律を交えて確認していきたいと思います。

このコラムでは身近な例として「速度違反」を扱います。

まず、車を運転する際のルールは主として「道路交通法」という法律で決められています。

道路交通法第22条(最高速度)の第1項をみてみると、

車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。

と、いわば当たり前のルールが書いてあります。

それでは、最高速度に違反した運転手さんはどうなるのでしょうか?

道路交通法の第118条に、以下の罰を受けると書いてあります。

次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

一  第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者

「懲役」というといかにも悪いことをした人が受ける罰(刑罰)というイメージがすぐにわきますよね?

そして、懲役と並んで「罰金」も立派な刑罰です。

罰金刑に処せられると、これはもう立派な?「前科持ち」となってしまいます。

過去の経歴の賞罰欄に「罰金前科1犯」がつくわけですから、例え前科の内容が速度違反であっても気持ちの良いものではありません。

た・だ・で・す・ね、

この日本において人に刑罰を科す際には、きちんとしたルールにのっとって行われなければならないとされています。

お隣の国のように「刈上げマン」の一存で、粛清され、マシンガンでハチの巣にされたり、犬に食われたりするような無法地帯ではないのです。

刑事裁判手続きの細かい説明は省きますが、裁判所で交通違反事件を審理し、刑罰を科すことはそれなりに大変な作業です。

内閣府の発表によると平成25年度における車両等の道路交通法違反(罰則付違反)の取締り件数は約740万件あり、最高速度違反が約205万件あるとされています。

内閣府HP 平成25年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況より

これだけ膨大な道路交通法違反事件が全国の裁判所に持ち込まれたら一体、どうなるでしょうか?

おそらく裁判所は機能不全に陥るでしょう。

裁判所が、真夜中にも開廷するような24時間コンビニ化したとしてもきっと処理は追いつきません。

なにより僕は真夜中まで裁判なんかしたくはありません。

で、考え出されたのが「反則金」という制度です。

これは、道路交通法で定められた「反則行為」(比較的軽微な道路交通法違反行為)をした場合に、刑事手続きに先行して事件を処理してしまう制度です。

反則金を納付することで、当該道路交通法違反について公訴を提起されない、つまりは刑事裁判にかけられない、ということは前科がつかない!裁判も開かなくて良くて手間いらず!な制度です。

本コラムで扱っている速度違反の内、比較的軽微な「反則行為」とされているのは、道路交通法によると、

第百十八条第一項第一号又は第二項の罪に当たる行為※速度違反の罪。但し・・・⇒(第二十二条の規定によりこれを超える速度で進行してはならないこととされている最高速度を三十キロメートル毎時(高速自動車国道等においては四十キロメートル毎時)以上超える速度で運転する行為を除く

一般道で30キロ未満、高速道路で40キロ未満の速度違反をいいます。

ちなみに反則金の金額は、普通自動車4万円、大型自動車5万円となっています。

そして、反則金を納めると道路交通法128条(反則金の納付)第2項において、

2  前項の規定により反則金を納付した者は、当該通告の理由となつた行為に係る事件について、公訴を提起されず※刑事裁判にかけないという意味※、又は家庭裁判所の審判に付されない。

ことになり、公訴を提起されない以上、刑罰を科せられようがないので前科はつきません。

手続的には反則行為に及んだ人には道路交通法に定める事項が記載された「告知書」が交付されます。

同法第百二十六条(告知)

警察官は、反則者があると認めるときは、次に掲げる場合を除き、その者に対し、速やかに、反則行為となるべき事実の要旨及び当該反則行為が属する反則行為の種別並びにその者が次条第一項前段の規定による通告を受けるための出頭の期日及び場所を書面で告知するものとする。

告知書の色は警察の様式上「薄青色」と決まっており、これが「青キップ」と呼ばれる由来です。

ところで、反則行為(速度違反)の定義を反対解釈すれば、一般道路で時速30キロオーバー、高速道路で40キロオーバーの速度違反は反則行為に当たらず、「反則金」の制度で救済されないわけです。

この場合は「青キップ」よりも重い「告知票」、通称「赤キップ」が切られ、刑事裁判の手続きのレールの上に乗せられます。

同じ速度違反といっても悪質さには差があるでしょうから、簡易迅速に事件を処理できる反則金制度自体、私は賛成です。

では、取締官に反則行為であると咎められた場合、必ず反則金を支払わなければならないかというと、そうではありません。

裁判を受ける権利は憲法上保障されていますので、

日本国憲法第三十二条  何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

納得がいかない方は反則金を納めずに刑事裁判を受けて争って頂くことも可能です。

というわけで「罰金」も「反則金」も道路交通法に違反した結果、国にお金を納めるところは同じなのですが、「刑罰」という観点からみると意味合いが大分、違うことはお分かりいただけたでしょうか?

ちょっと小難しくなってしまいましたが、要は安全運転に努めて、反則金や罰金とは縁遠い、楽しいカーライフを送ろうということが言いたかったのです。

思わず突っ込む「取り調べ」(「黙秘権」編)

2016-04-10

昨日、家でくつろぎながら「土曜ワイド劇場『検事・朝日奈耀子17医師&検事~2つの顔を持つ女!』」を見ていました。

そのあらすじはというと、、、

真夜中のビルの屋上に、激しく言い争う声がこだまする。

悲鳴をあげ転落死したのは、将来を嘱望された外科医、片岡高史。

耀子は、目撃者の証言から、片岡の恋人で同じ病院に勤める外科医の長澤結衣を取り調べる。結衣は耀子の追求に対し、結婚延期について話し合うため、ビルの屋上に行ったことまでは認めたが、片岡殺害については黙秘を貫いた。

しかし、事件現場に落ちていた“NAGASAWA”のネーム入り万年筆を見ると目の色が変わる。

その動揺を耀子は見逃さなかったーー(番組HPより)

まあ事件自体は火サスと土ワイによくありがちな、動機は怨恨、被害者は悪人、犯人は一見犯人らしくない人、と3拍子揃ったものでした。

犯人へのミスリードがこれでもかと続き、殺害シーンもおいおい無理があるだろう、というものばかりでしたが、2時間ドラマという点を考慮すれば十分に楽しめました。

ただ、引っかかったのは、事件現場にいた第一容疑者である恋人の女医の取り調べシーンでした。

まず、朝日奈検事は取り調べの冒頭で被疑者に「黙秘権」の告知をしました。

皆さんも「黙秘権」という言葉くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?

憲法38条1項「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」という条文に基づく権利で、かみ砕いていうと「言うも言わぬも本人の自由。」「不利になりたくないと本人が決めて黙っているのだから(自己決定!)、他人はガタガタ文句言うな。」というものです。

で、朝日奈検事は「あなたには黙秘権があります。」「そのうえでお尋ねします。」「あなたは○○さんを○○して殺しましたか?」と続けます。

実に丁寧な取り調べです。

で、問題はここからです。

「・・・」と沈黙する被疑者。

どっからどうみても被疑者は黙秘しています。

なるほどこの被疑者は捜査段階では黙秘を貫くのか、と思いながら視ていると、立ち合いをしていた内藤剛演じる検察事務官が一言。

「答えなさい!」( ー`дー´)キリッ

 

(゚Д゚;)びくっと動揺する被疑者。

 

・・・ポカーン(“゚д゚)←私 [TV] 黙秘権あるんとちゃうん!?

と、私は思わず突っ込んでいました。

 

この事務官さんは全国ネットで検事さんの取り調べに口を挟むどころか、被疑者が黙っているのを責め立てています。

実にいい度胸をしています。

というか、あらすじにあった動揺ってもしかしてそこなの!?とか思ってしまいました。

内藤剛さんの演技は迫力あるし、好きな役者さんですが、ほかにも見せ場はあったでしょうに。

リーガルハイや逆転裁判のようにコメディ色の強い作品であれば笑ってみていますが、リアル路線のドラマだと意識していなくても法的な部分が気になってしまうようです。

フィクションなんだから黙ってやり過ごせば良いのですが、、、実に困った職業病です。

物理のクイズではありませんよ。法律ですよ。

2016-03-08

突然ですが皆さんにクイズを出しますね。

①真空中で一秒間の二億九千九百七十九万二千四百五十八分の一の時間に光が進む行程の長さは?

②セシウム百三十三の原子の基底状態の二つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の九十一億九千二百六十三万千七百七十倍に等しい時間は?

さて、問題文を読んだだけで睡魔、吐き気、頭痛といった拒絶反応が出た方もいるのではないでしょうか??

僕はお腹が痛くなってしばらくトイレから出てこれませんでした。

一応、先に答えを言っておくと①は1メートル、②は1秒です。

このクイズ問題ですが別に物理の教科書から引っ張ってきたわけではありません。

実はこれ、、、「計量法」という法律(厳密には関係法令である「計量単位令」)から引っ張ってきたものです。

社会活動や経済活動を営む上で時間や長さ、重さといった共通の基準は極めて大きな意味を持つのは何となくお分かりいただけるのではないでしょうか?

こうした基準が曖昧なままでは安心して取引や社会生活を営むことができません。

例えるなら私が考える100グラム・100円の豚肉とお肉屋さんが考える100グラム・100円の豚肉の量が違っては安心してお腹一杯食べられるだけの豚の生姜焼きを作れませんよね!?

そこで「計量法」ではこうした単位(計量)の基準を規定し、適正な計量の実施に向けた定めが設けられています。

簡単にいうと我が国の取引においては計量法で定められた単位と計量方法を用いてください、というわけです。

とある事件で物理量の定義及び測定方法が問題となったため、色々と調べているうちに計量法にたどりついたわけなんですが、よくもまあこんな小難しい法律を規定したなあと感心した次第です。

皆さんも興味がありましたら是非、ご一読くださいませ。お腹と頭が痛くなること請け合いですよ。

令状主義と対バイオロン法

2015-10-25

皆さんもご存知のように「世界忍者戦ジライヤ」の次に放送されたメタルヒーローシリーズはジ!バ~ン↗、ジ!バーン↗のOPでおなじみの「機動刑事ジバン」です。

警察署の刑事である田村君は、犯罪組織バイオロンの襲撃により命を落としてしまいますが「ジバンプロジェクト」の被験者に選ばれサイボーグとして蘇りました。

ジバンはサイボーグなだけあって動きは「うい~ん、ガシャン。」とまるでロボコップです。前作が忍者でしたので私は機動性に欠けるジバンはあまり好きにはなれませんでした。

また、やたらめったらバズーカ砲?バルカン砲?をぶっ放して敵組織の速やかな鎮圧を図る戦いぶりが大味で物足りませんでした。

そんなジバンの決めポーズといえば、戦闘前に警察手帳を取り出し、バイオノイド(バイオロンの怪物)に対して「対バイオロン法」を読み上げるところです。

ジバン

第1条

機動刑事ジバンは、いかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕することができる

第2条

機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することができる(補則)場合によっては抹殺することも許される

ジバンはだいたいの敵に対して2条の補足を読み上げ、逆上したバイオノイドに対して問答無用で抹殺を図るという無慈悲ぶりでした。

私はこの対バイオロン法について子ども心に違和感を覚えていました。その違和感の正体に気が付くのは今の仕事についてからでした。

皆さんは「令状主義」という言葉をご存知でしょうか??

犯罪の捜査時において、捜査機関が強制処分(個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など)を行う際に、被処分者の人権が不当に侵害される事態を防ぐために令状がなければ強制処分はできませんよ、という原則のことです。

令状主義の根拠は日本国憲法にあります。

日本国憲法第33条
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

日本国憲法第35条
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

2  捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

「逮捕=警察」のイメージが強いせいか、「逮捕する」「逮捕しない」は警察のさじ加減ひとつだと誤解されている方が実は少なからずいらっしゃるように感じます。

逮捕はその人の意思に反して強制的に身柄を拘束される手続きです。捜査機関の好き勝手にされてはたまったものではありません。

そのため逮捕についても原則は「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる(刑訴法199条前段)」とされており裁判官(司法権)のチェックが入ることになっています。

裁判所のチェック機能は十分か?という点について議論はありますが、捜査機関が逮捕状をもってきた際には裁判官の事前チェックを受けていると思ってください。

さて、もうお分かりかと思いますがジバンが持つ権限は極めて強大であって「令状主義」の及ぶところではありません。

なにせ自己の判断で逮捕はするわ、ケースによっては抹殺できるわで冤罪どころの騒ぎではありません。

ジライヤですら警察の捜査を受けて逮捕されたことだってあるのですから(冤罪でしたが。)、子ども頃の私はジバンの持つ権力の大きさに若干とまどったのでしょう。

たとえヒーローといえど過度の権力集中はよろしくはありません。

そういった意味で特撮ヒーローの「特捜戦隊デカレンジャー」では敵怪人(犯罪宇宙人)を抹殺する際には宇宙最高裁判所からのデリート許可を要するという設定は非常に良かったと思いますね。

夏の花火は何処でやる??(坂井市ver)

2015-08-24

最近、随分と涼しくなり過ごしやすくなってきました。

海で泳いでいる人もめっきり減り、コンビニに行けば手持ち花火がたたき売り状態になっています。

花火といえば先日、三国のサンセットビーチを通りかかった際に「夜間の花火の禁止」に関する看板を見かけました。

三国のサンセットビーチだけでなく当事務所のある坂井市では坂井市環境保全条例によって公共の場所における夜間の静穏を害する行為が禁止されています。

(夜間の静穏の保持)
第23条 何人も夜間(午後10時から翌日の午前6時までの間をいう。)においては、道路その他の公共の場所において、みだりに付近の静穏を害する行為をしてはならない。

夜間、ビーチで花火をバンバン打ち上げればうるさいですし、仲間内で楽しく盛り上がっていても無関係な近隣住民にとってはただの騒音や雑音でしかありません。

ですから公共の場所とはいえ、時間帯に応じてその利用態様(音の出る花火や仲間内でのどんちゃん騒ぎなど)を一部、規制するのというのは合理性があります。

それでは公共の場所で個人が花火を行うことはそもそも可能なのか?という観点で問題をみたときはどうでしょうか?※ここでは市販されている花火を想定しています。

昨今、隣近所のよしみが通じなくなってきており、晩御飯を食べ終わって自宅の庭や公園で花火をしようと思っても、隣近所から「煙が・・」「音が・・」「匂いが・・」と苦情を言われるのが嫌で自粛されている方も少なくないと思います。

たとえ自宅の庭で花火をしていたとしても隣近所から「煙が嫌だ!」とかクレームをいれられてしまうと、たとえ法的に問題がなかったとしても、今後の近所付き合いのことを考えて我慢される方もいるのではないでしょうか?

そういった方が公園や河川敷、海岸なら花火をしても他人に迷惑がかからないだろうと考えるのは極めて自然な流れです。

公園や河川敷、海岸などの公共の場所(法律用語で「公共用物」といいます。)は基本的には一般市民の方が自由に使用できることが想定されており、市販されている花火で遊ぶことは原則、自由いうことができます。もちろん、法律や各地域の条例あるいは管理者が個別に火気厳禁(花火やBBQなど)としていればNGです。

三国サンセットビーチの警告文を見る限りは、午前6時~午後9時59分までは音が出る花火をしてもOKなんでしょう(反対解釈)。

坂井市内の各公園については同市のHPにおいて「花火・爆竹・たき火・タバコ等の火の使用は、火災の原因になりますのでやめましょう。バーベキュー等も禁止です。」とされているためNGです。

坂井市内の他の公共の場所での花火については、管理者に問い合わせをしておくのが無難です※通常、管理者は看板などで公示されています。

どうせ花火をやるなら許されている場所でマナーを守って楽しくやるのに越したことはありませんからね(゜-゜)

発行日と発売日のズレ。

2015-05-18

私は漫画が好きな割にさほど画に興味はなく、だいたいセリフをザァーっと流し読みしてサッサと読み終わることが多いです。

そのため少年ジャンプの某漫画とは相性がほとほと悪く、「なん・・・だと・・・」というセリフしか記憶に残らないという悲劇が生まれます。

もっとも最近は頑張って画も楽しむようにしていますが。。。

ちなみに私が小学生の頃、少年ジャンプの連載で好きだったのは「タイムウォーカー零」、中学生の頃は「花さか天使テンテンくん」です。

前者は主人公が格好よく、後者はライバルの悪魔がとても可愛かったからです。

さて、そんな少年ジャンプでずっと前から気になっていたことがあります。

なんで少年ジャンプの裏表紙に記載されている発行日と実際の発売日は違うのでしょうかね??

今日、買ったジャンプなんて6月1日発行となっており先走りも良いところです。

いくらなんでも早すぎはしないでしょうか?その狙いも気になります。

そのためちょっと調べてみました。

出版物(書籍・雑誌)は、奥付や表紙に[発行年月日]が記載されている。しかし実際の[発売日](出版物を発売する期日)は、これと必ずしも一致していないのが現状である。

これは、本の“鮮度”をアピールすることが狙い。[発行年月日]の記載は法上の義務ではなく、出版社の独自裁量に任されている。そのため、実際の発行日よりも先の月日を記載して、本が古く見えないよう工夫しているのである。

また、書籍や一部の雑誌(不定期誌)には明確な[発売日]というのがない。本の[発売日]というのは、厳密には“出版社から取次に搬入されて以降(※1)、小売店店頭に陳列された時まで”を指すことになるからだ。さらに、本が小売店店頭に並ぶまで、地域によって最大1週間の差が生じる。そういった曖昧さを回避する意味でも、[発行年月日]は発売時点より先の日付に設定されているのである。
(公益社団法人 全国出版協会HPより)

これに加えて雑誌(定期誌)は、日本雑誌協会の自主基準によって15日先が発行日となるようです。

長年の疑問が解けてすっきりしました(゜o゜)

民生委員さんのお仕事とは?

2015-04-13

今日、配布された春江町の民生委員児童委員便り「絆はるえ」を読んでいてふと思ったのですが、そもそも「民生委員」さんて何なんでしょうかね?

私の勝手なイメージで言うと、地域で困っている人の味方?、ボランティア?地域の万屋さんといったところでしょうか(゜-゜)

ここいらで一度、制度の概要だけでも学んでおきたいと思います。

まず民生委員の制度趣旨の確認ですが、民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める方々です。

(厚労省HPより)

また、民生委員法にてその役割や職務の内容が規定されています。

第一条  民生委員は、社会奉仕の精神をもつて、常に住民の立場に立つて相談に応じ、及び必要な援助を行い、もつて社会福祉の増進に努めるものとする。

第十四条  民生委員の職務は、次のとおりとする。
一  住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと。
二  援助を必要とする者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと。
三  援助を必要とする者が福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助を行うこと。
四  社会福祉を目的とする事業を経営する者又は社会福祉に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること。
五  社会福祉法 に定める福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)その他の関係行政機関の業務に協力すること。
2  民生委員は、前項の職務を行うほか、必要に応じて、住民の福祉の増進を図るための活動を行う。

なるほど、各地域で福祉サービスを必要としている方と福祉行政との橋渡しが大事な役割の一つだといえそうです。

ここで私がちょっと気になったのが民生委員さんの個人情報等の取り扱いについてですね。

厚生労働省の平成22年度調査によると民生委員に対する各市区町村の個人情報の提供状況等にバラつきが見られまます。

生活保護受給世帯や高齢者世帯の情報は民生委員の方が職務を行うに当たり必要な情報のようにも思えますが、一部の市区町村では個人情報の提供が条例で禁止されている等を理由として民生委員さんにそういった方々の情報提供がなされないケースもあるようです。

さすがに民生委員さんが独力で地域で福祉サービスを必要とされている方と接触するのは難しいようにも思えます。

当事務所のある春江町の民生委員さんは個人情報等の取得といった点についてどういった運用がなされているのか興味がありますね。

今回の広報誌は色々と勉強になりました。でも各活動ごとに写真+2~3行の説明ではもったいないですね。

できればインタビュー記事を掲載するなどして、もっとポイントを絞って具体的な活動内容を知ってもらっても良いと思います!

もし年齢を聞かれたら。

2015-03-22

私はよく初対面の方から「先生、お若いですね!」「おいくつですか?」と聞かれます。

おそらく童顔ということもあり、純粋な興味から聞いてくださっているのだろうと思います。私もそこから話が広がるので喜んで答えるのですが、年齢を正直に答えると大抵「若っ!」「大学生かと思った!(では何故、私はここで弁護士をしているのか?と思わなくもないですが。)」と言われることもしばしばです。

最近、少しは貫禄?がついてきたのか大学生ではなく、「大学院生だと思った!」率が高くなってきていますが。。。(゜-゜)

ちなみに最寄りのコンビニの店長さんに至っては、私が大学生だと信じていた当時、たまに私がスーツを着て買い物に行くと「就活ですか?」「頑張ってくださいね!」と優しく声を掛けてくれていました。

今でこそ年齢に関して笑いながら受け答えできていますが、大昔は若く見られるのが嫌で数え年(生まれた時を1歳、以後1月1日ごとに1歳加算。)で答えたこともありました。

さて、ここからが本題なのですが役場などに提出する申請書の年齢欄をみると「満」との表記を見かけることがあります。おそらく私たちの日常生活において年齢について「満年齢」と「数え年」のいずれを用いるのかきちんとしたルール(法律)があるはずだ、と思い調べてみたらやっぱりありました。

齢のとなえ方に関する法律
(昭和二十四年五月二十四日法律第九十六号)

○1  この法律施行の日以後、国民は、年齢を数え年によつて言い表わす従来のならわしを改めて、年齢計算に関する法律(明治三十五年法律第五十号)の規定により算定した年数(一年に達しないときは、月数)によつてこれを言い表わすのを常とするように心がけなければならない。
○2  この法律施行の日以後、国又は地方公共団体の機関が年齢を言い表わす場合においては、当該機関は、前項に規定する年数又は月数によつてこれを言い表わさなければならない。但し、特にやむを得ない事由により数え年によつて年齢を言い表わす場合においては、特にその旨を明示しなければならない。

   附 則 抄
○1  この法律は、昭和二十五年一月一日から施行する。
○2  政府は、国民一般がこの法律の趣旨を理解し、且つ、これを励行するよう特に積極的な指導を行わなければならない。

条文を読むとわが国ではかつて「数え年」が主流であったことがわかります。

満年齢を用いることで年齢が正確に把握できるので便利なんでしょうが、「数え年」も赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時を0歳として数えたり、元旦を迎えると年神様が年を運んでくる、という日本的な考えが素敵だと思います。

いずれにしても年齢を知られたくないからといって意図的に年齢を偽ることは止した方がよいでしょう。年齢詐称は法律上、思わぬ不利益を蒙ることがありますからね。

ちなみに私は今現在、必ずしも年齢=人生経験ではない、ということが最近わかってきたので童顔をネタにして堂々と満年齢で答えるようにしています♪

坂井市の条例や規則をみてみよう(犬の糞編)

2015-01-26

ここ坂井市は郊外に田んぼが多くみられ犬の絶好の散歩コースとなっています。あと、私の散歩コースにもなっています。

ところが犬の糞を処理せずにそのまま放置される方がなかにはおられます。処理が面倒なのか、あるいは犬の糞をほっておいても肥料か自然に還るからいいじゃないか、という理屈なのでしょうか?

いずれにしても迷惑なことに間違いはありません。それでは常習的に犬の糞の放置する方には法律上、どのようなペナルティが課せられるのでしょうか??

まず「ふん」という単語が出てくる法律でパッと思い浮かべるものとしては「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」でしょうか??

(定義)第二条  
1 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
2 この法律において「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。

第16条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

上記規定に違反すると五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金刑またはこれらの刑を併せて処罰する、という建付けとなっております。

また、自己の土地上に犬の糞を放置された人は放置した飼い主に対して民事上、なんらかの請求が理屈上は成り立つと思います。

さらにここ坂井市には「犬の糞」のポイ捨てを防止するための条例があります。

それが「坂井市廃棄物の処理及び清掃に関する条例」です。

第8条 飼い犬の所有者は、飼い犬を屋外で運動させる場合は、ふんを処理する用具を携行しなければならない。
2 公共の場所及び他人の土地、建物等を飼い犬のふんにより汚染したときは、直ちに適正に処理し、市民の生活環境を損なうことのないよう心掛けなければならない。

分かり易く内容を説明すると犬の散歩にはビニール袋とスコップを携帯し、犬が糞をしたら直ちに回収する!ということを心掛ける!?という内容になっております。

上記条例は罰則規定はありませんし、8条2項に至っては「心掛け」の大切さをといており、坂井市の市民の良心を信じて制定されたものといえるでしょう。

あと犬の糞しか想定していませんので他の動物(ネコや牛、タヌキにイノシシとか。。。)の運動中の糞に直接に適用されることはないのでしょうね(趣旨は及ぶでしょうけども。)

とにもかくにも罰則の有無以前に犬の糞の放置はやはり気分に良いものではありませんので(夏場にハエが発生しているとそれはもう地獄絵図です。)、飼い主一人ひとりがマナーを守ることを心掛けていきましょう。私も気を付けます。

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