男女間の紛争①(婚約編)
タイトルには「紛争」とありますが、今日は少し明るい話題として「婚姻予約」について考えてみたいと思います。
「婚姻予約」とは大まかに言うと将来、夫婦になろうという合意のことを言います。ここでは一般的な用語に従い「婚約」という言葉を使いますね。
「婚約」・・・なんとも夢と希望に満ち溢れた素敵な言葉ですよね(゜-゜)…はぁ
でも何をもって婚約が成立したといえるのでしょうか?
例えば好意を寄せている相手に一方的に「俺と結婚してくれ!」と言っても相手が「ウン」と言ってくれなければ婚約は成立したことにはなりません。
やはり婚姻成立には両者の「合意」は必須のものといえるでしょう。
ですが昔に比べると男女の婚前交渉が活発になり、その場の雰囲気や勢いで「結婚しよう!」とうっかり口に出し、相手もノリで「いいよ!」と答えるやりとりもそう珍しくはなくなりました(と私は勝手に思っています)。
この場合、両名は将来、結婚すること合意していますし、これで婚約成立といえるのでしょうか?
婚約ってそんな軽いもので良いのでしょか?
婚約が適法に成立している場合、それを不当に破棄した者は慰謝料の支払義務を負うとするのが判例・実務です(最判昭38.9.5参照)
そうすると私の理解では恋愛関係にある男女のたんなる睦言(カップルの仲睦ましい会話)で婚約成立と言うのは苦しいように思えます。やはり婚約は男女が誠心誠意を以て将来に夫婦になることを誓い合うことであり(大判昭6.2.20参照)、両名の関係が婚約が成立していると社会的に公認される程度にまで達している必要があるでしょう。
一般的には当事者の合意、両家の挨拶、結納や婚約指輪の交換といった慣行的な行事が行われば婚約成立と考えても良いでしょう。
また判例を分析すると婚約の成立要件として必ずしも結納や婚約指輪の交換といった行事は求めていませんが、過去の事例で性的な関係を長期間持続しており、かつ両親が公認しているなどの要素を加味して婚約成立を認めるなどしていることから、当事者の合意に加えて何らかの要素を求められると考えられます。
とにもかくにも婚約それ自体は決して悪いことではないですし、法律トラブルの芽だとは思わなくても良いですからね~♪