不貞(不倫)問題の解決までの流れ③~請求する側の話~
ここはXさんの家。
深夜になにやら怒鳴り声が聞こえてきます。
このメールにある○○○って誰?
浮気ね!絶対、許さない。
この書面に「私は○○○と浮気をしました。」と一筆書きなさい(怒)バンバン、バキッ(机を叩き壊す音)
わ、わかりました(泣)サラサラサラ・・・
これで言い逃れできないわね。ふぅ(安堵のため息)
今回のコラムから配偶者あるいはその浮気相手が不倫(不貞)を自白した場合、その後の対応の注意点をお話していきたいと思います。
まず不倫(不貞)は通常、密室で行われるため、たとえラブホテルに入る写真を抑えられたとしても「性行為はしていない。」と反論されるケースがあるのは先日のコラムで書いたとおりです。
そうすると「自白」は不倫(不貞)をダイレクトに証明するものとして極めて有効といえます。
私の経験上、不倫(不貞)の自白がなされたケースでは、その後の対応として以下の①~③(あるいはその複合型)のパターンになることが多いです。
①相手は浮気を認めたものの、何も証拠を残していないパターン。
②自認書、経緯書、念書といった名目の書面に「○○と浮気をしたのは間違いありません。」と一筆とっておくパターン。
③ボイスレコーダーで浮気の自白を録音しておくパターン。
まず①自白を証拠化しておかない、というのは一番最悪な選択肢です。
浮気がばれた時点で潔い対応をされる方も中にはいらっしゃるのでしょうが残念ながら少数派ですし、「そんな人はまずいない。」というのが個人的な感想です。
だいたいは自身の責任を少しでも軽くするために浮気をした時期や回数を偽って申告したり、ひどいケースでは後になって「浮気は認めていない。そんなことは言っていない。」と供述を変遷させる方もいらっしゃいます。
一度浮気を認めたのに!と怒っても後の祭りです。最後は言った言わないの水掛け論になってしまいます。
裁判になった場合、不倫(不貞)があった事実を証明する責任は請求する側が負っています。
水掛け論に陥ると真偽不明であるとして請求をする側が不利益を被ってしまいます。
自白の証拠化は必須である、と肝に銘じてください。
次に「浮気」という言葉は実にいろいろな意味を含んでいます。
人によっては一緒に食事に行ったり、SNSで連絡を取り合うことも浮気だと思われ方もいるでしょう。
また、相手方が「浮気」という言葉を使って非を認めたとしても、後になって浮気の意味内容について「○○の意味だった。」とか「××までしかしていない。」と言われてしまっては元も子もありません。
相手を問い詰めるときは「浮気」という言葉の中身をきちんと明らかにすべきです。
私に言わせると浮気を自白した相手に一番に確認すべきは「肉体関係の有無」です。
生々しい話ですし、相手への信頼が残っていたりすると無意識に確認することを避けてしまうかもしれません。
分からない話ではありませんが、法律の世界では「不貞」≒肉体関係とされている以上は確認は必須なのです。
次回のコラムでは②一筆をとる際の注意点をお伝えしたいと思います。