不貞(不倫)問題の解決までの流れⅠ~請求をされる側の話~
実は異性と浮気をしていまして、それがかくかく云々して配偶者にばれました。
浮気相手の配偶者に私の存在がばれました。
典型的な不倫にまつわる法律相談、それも浮気がばれた方の冒頭部分はだいたいこのような感じで入ります。
そして話をよくよく聞いていくと、
幾らお金を支払わないといけないのですか?
いつ請求がくるのでしょうか?
これから先、どうなっていくのでしょうか?
という質問に着地することが多いです。
このコラムでは請求される側の立場から事件が解決するまでの流れを追っていきたいと思います。
本題に入る前にちょっと横道に逸れますが、当事務所では以下の①と②の案件は基本的に受任しません。
①浮気をした事実があるのにこれを否定して解決して欲しい、とおっしゃる場合。
②「浮気は誓ってしていない。」「誤解である。」と言われても、事実関係や証拠を踏まえて私が納得しない場合。
①の案件を私が受けないのは単に気に食わないからです。浮気がバレた以上は腹をくくってください。
②の案件を私が受けないのは、そこそこ甘い私を説得できない時点で本件は詰んでいると思うからです。
さて浮気がばれて請求される側の立場の方に知っておいて欲しい第1のポイントは「お金を請求される方が楽。」だということです。
どういうこと?なんで?金をとられるのに何が楽なの?という疑問をもたれた方もおられるでしょう。
ですが考えてみてください。
配偶者に浮気がばれた後、配偶者の様子が平素と変わらなかったら不思議あるいは不気味に思いませんか?
怒ると怖い配偶者が、浮気がバレた後に笑みを浮かべながら美味しそうな料理を作ってくれたとき貴方は箸をつけますか?
むしろカンカンに怒ってくれた方が気持ちは楽だと思います。
また、浮気相手から「配偶者にばれた。」「連絡はもうとらないでおこう。」と言われ、それっきりで放置された場合を考えてください。
今後どうなるか不安になりませんか?
請求をされる側の難しいところは受け身にならざるを得ないということです。
請求をする側は権利ですから請求をするもしないも自由です。極端な話ずっと放置しておいて皆が忘れた頃に請求をすることだって可能です。
その間、請求される側は毎日、ポストをみていつ請求書が届くのかを心配しながら暮らすことになります。
まして浮気をした自分にも家族がいる場合、それも浮気をした事実を話していない場合は毎日、気が気でないでしょう。
ですので私なんかに言わせると、例え法外なものであったとしても請求をしてくれた方が、ずっと放置されているよりはよっぽど良いということになります。
「請求をされる=解決に向けた交渉のとっかかりができる」、とポジティブに考えてください。
なお、家族にバレないように処理して欲しいという相談をたまに受けることがあります。
気持ちはよく理解できますが、いつかはバレると思ったほうが良いです。
たとえ内緒で示談が成立したとしてもそれなりのお金が動きますので勘の良い配偶者であれば気が付きます。
むしろ請求書が届く前に正直に話をして謝罪し、解決に向けて協力を仰ぐ方がプラスの場合だってありえます。
それで愛想を尽かされて出て行かれたらそれはそれで仕方がありません。まさに自業自得です。
今回は割と精神論が中心になってしまいましたが、次回以降も請求を受ける側として知っておいてもらいたいポイントを紹介していきます。