雪にまつわるご近所トラブル

2015-01-21

どうしても季節がら雪にまつわる相談が多くなります。特に今年は気象庁の当初の予報が見事に外れて大雪に見舞われたこともあり、隣家からの(への)落雪に関する相談が比較的多いように思われました。

ということで私の個人的な見解をまとめたものを記します。

まず、ここ福井では冬に雪が降るのはある意味当たり前であって、お隣さんに100%落雪しないよう求めるのはある意味不可能である、という頭でいて欲しいです。

また、お隣に落雪しないようにできる限りの方策を採っておくことも必要といえるでしょう。

きちんと雪止めやネットを設けるなどして雪対策をしてもお隣に落雪した場合、それが土地の利用に支障がない程度であればご近所同士、お互い様として目くじらを立てないで欲しいと思っています。ただ、お互いさまと開きなおるのではなく、雪かきを手伝うなりしてお隣同士で良いお付き合いを心掛けるべきでしょう。

と、ここまではほとんど法律論ではありません。

ところが残念なことに隣家からの落雪によって車や自宅の壁あるいは付属品が壊れるなどの具体的な損害が発生してしまう場合があります。

そのような場合は法律論としては隣の建物の設置・管理に瑕疵があったとして民法717条に基づく損害賠償責任の有無が争点になると思われます。

要はお住いの地域で想定される積雪量を前提として、通常、住宅がお隣に落雪しないように備えておくべき構造・方策であったかのか否かが問題になります。

(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
第717条 1項 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

また、落雪による具体的な損害の発生のおそれがある場合はお隣さんに何らかの措置を採るように法的に求めることも考えられます。

なお、雪国に家を建てる場合、施工業者と落雪対策については納得いくまで話し合っておく必要があるでしょう。

そして、業者とのやりとりはなるべく書面に残しておきましょう。これは落雪が原因でお隣とトラブルになった際に業者の責任の有無を判断する上でも重要な資料になるからです。

民法第717条3項  前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

私の思いとしては、できる限り法律論でギリギリと処理することなく、話し合いを通じて解決の道を探っていってもらいたいです。

 

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